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女 學 の 梯

 

翻刻付き



 内題・尾題・題簽とも『女学の梯』.振仮名によると,「をミなまなびのはしだて」と読む.3巻3冊.明治7(1874)年2月官許,翌年1月刻成.勝浦鞆雄編纂・蔵版.大阪の書肆吉岡平助より発売.冒頭に題字と小引を冠す.

 本文部分は,著者の前書きと,全3款の教訓からなるが,そのうち主要な部分をなしているのは第3款の教訓で,中巻・下巻がこれに充てられている.そして,この第3款は,それ自体が次のような全10条の教訓からなっている.

鳥獣虫魚及び一切の物品に対する義務
世中の人に対する義務
我家の僕婢に対する義務
朋友に対する義務
己が師及び己より老年の人に対する義務
兄弟と姉妹に対する義務
人の子の父母に対する義務
婦たるものの夫に対する義務
両親の其子に対する義務
国民の政府に対する義務

 一見して明らかなように,本書は“女性向けの教訓書”にとどまらない多様な内容を含んでおり,“女性向け”という性格は具体的内容に即するかぎり必ずしも強くないように思われる.とくに「国民の政府に対する義務」が述べられた部分などは,明治7,8年という早い時期において通俗的な教説のレベルで国民の政府や国家や天皇に対する義務がいかに弁証されていたかをうかがううえで興味深い.

神戸大学国際文化学部講師 宇野田尚哉

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